遺言書の書き方シリーズ | エンディングノートの「民法改正 相続編」

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皆さんこんにちは行政書士ケアマネージャーの坂本です。

今回はエンディングノートの「民法改正 相続編」ということで2019年7月民法改正によって相続のルールがどう変わったのか、皆さんにお伝えしたいと思います。

特に今回は自分で遺言書を書こうと思っている方、また奥さまはじめ女性の方必見のポイントを分かりやすくまとめましたので、お時間ある時にお読み下さると幸いです。

配偶者居住権の創設

配偶者居住権は、配偶者が相続開始した日に相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。この権利は、人に売ったり自由に貸したりできない分、配偶者はこれまで住んでいた自宅に住み続けながら、他の相続人に邪魔されることなく、その後の生活の安定を図ることができます。

被相続人の介護や看病に貢献した親族は金銭請求が可能に!

これはどういうことかと言いますと、相続人ではない親族例えば長男のお嫁さんが被相続人の介護や看病をする場合、改正前では長男のお嫁さんであっても相続人ではないため遺産の分配にあずかることはできず、不公平ではないかという声がありました。

そこで今回の改正では、このような不公平を解消するために、相続人でない親族であっても、無償で被相続人の介護や看病に貢献した場合は、相続人に対し金銭の請求をすることができるようになりました。

このような話をすると、皆さんからは「いや介護は金銭のためにするものじゃない。無償の愛情を注ぐものだ」という声が聞こえてきそうです。しかし介護の現場を見つ続けてきた私としてはご自身の生活を犠牲にして、義理のご両親の介護をされているお嫁さん達がいることもまた事実であり、今回のルール改正で少しでもそのような現状が変わることができればと願っております。

自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能に!

これまで自筆証書遺言は、添付する目録(自分の財産がどれだけあるかを記したもの)も含め、全文を自書して作成する必要がありました。その負担を軽減するため、目録についてはパソコンで作成したものや通帳のコピーなども認められるようになりました。

これは私のような面倒くさがりには、超便利!です。エンディングノートも遺言書もしかり「わざわざ書く!」という手間が省略されるだけで、家族へのメッセージが少しでも増えるのであれば素晴らしいことではないかと思います。

法務局で自筆証書による遺言書が保管可能に!

自筆証書による遺言書は自宅で保管されることが多く、せっかく作成しても紛失したり捨てられてしまったり、書き換えられるおそれがあるなどの問題がありました。


そこで!こうしたトラブルを防ぐために、法務局で遺言書を保管できるようにしたのです。それまでの保管先といえば銀行が主でしたが、相続人からすればどこの銀行に保管されているか分からないではなく、法務局という公的な場所で保管してもらえる安心感は大きいのではないかと思います。

遺産分割前に被相続人名義の預貯金が一部払い戻し可能に!

皆さんご存知のように被相続人が亡くなると銀行口座が止まってしまい、お金を引き落とすことができなくなってしまいます。

そこで今回の改正では、遺産分割の前でも預貯金のうち一定額については銀行から払い戻しができるようになりました。

医療介護の現場では、突然の入院やご逝去などにより大きな出費が余儀なくされることも少なくありません。ご家族の中には

「手元にたまたま50万ほどあって、ほんと助かりました。」という声もありました。

これも家族にとっては優しいルール改正なのかもしれません。

皆さん、いかがだったでしょうか。他にも特別受益に関するルール改正などもありましたが、遺言書や女性目線でのポイント に絞ってお話をさせて頂きました。今後のご参考になれば、幸いです。